Where did it come from?

ミズーリ州の小さな町コロンビアで、サイクリストでプロフォトグラファー見習いだった僕 David Munson が このカメラストラップのアイデアを思いついたのは2005年。

大都会シカゴで働いていた時に買って以来、雨の日も雪の日も毎日の酷使に耐えてきたハンドメイドのメッセンジャーバッグは、ご臨終を迎えようとしていた。僕の彼女が手に入れて以来、飽きちゃってほぼ使っていなかった中古ミシンで、ボロボロにすり切れ(そして何か臭う)バッグの 布部分を捨て去ったあとに残った、プラスチックのバックルを使って何かを作ろうと思ったことが、事の発端。

ナイロンのベルトは、ラッキーなことに1マイル四方しかないこの小さな町にも手芸屋さんがあって売っていたんだけど、前から憧れていた「夢の街;東京」にはバックルやベルトを専門的に売っている店が集まるエリアがあると、ネットで知り合った日本の友人 - ヨウヘイ に尋ねてみたんだ。
彼はそのアイデアをいたく気に入って意気投合することができた。彼は浅草橋に通いつめ材料を買い集めコロンビアの僕へそれを何度も送った。そのうち彼も中古のミシンを手に入れ、二人で競うようにカメラのストラップを作った。それこそ何十本も作ったよ。

新しいアイデアを盛り込んだストラップを交換っこしてみたり、サイクリングしながら写真撮るのに最高じゃんって、しばらく自分らと仲間の間でだけで、テストしては作り直ししてたんだ。楽しかった。思いついてから何年も、誰かに頼まれたら作っていた。そんなことを繰り返していたんだ。でもね、いつも感じていたことがあるんだ。

このストラップのアイデアは素晴らしいんだけど、どこか巨大な会社に真似されるのが怖かった。カメラを持って自転車であちこちに出かける僕らにとってはとても使いやすくて、既に手放せないものになっていただけに。

僕らは写真を撮ることが好き、自転車にのることが好き、っていうこともあって COG Magazine に関わるようになって、しばらくしてから東京のメッセンジャーバッグブランド FREDRIK PACKERS と知り合ったんだ。彼らはこれをもっと広く売るべきだ、って色々具体的にアドバイスをくれて、実際にアクションしてくれた。彼らの力を借りて、ここにこれを書くことが出来ることを幸運に思っている。

僕らの頭の中にはアイデアが詰まっている。僕らはこの地球上の誰よりも、カメラのこと、自転車のこと、それらを結ぶ equipment のことを考えている自信がある。僕らは誰かの力を借りて、これから誰も見たことの無い製品を生み出していくつもりだ。


   David R Munson ( Flickr / Facebook)